令和7年 新年ごあいさつ
新年を迎え、謹んで新春のご挨拶を申し上げます。
また、平素より関係各位には格別のご理解を賜り、厚く御礼申し上げます。
昨年は元日に能登半島地震が発生し、波乱の一年の幕開けとなりました。震災の爪痕は未だ色濃く、復旧・復興には至っておりません。一日も早く日常が戻りますことを心よりお祈り申し上げます。
さて、建設業界におきましては、昨年第3次担い手三法が成立しました。以前より建専連等を通じて主張してきた技能者の処遇改善に向けた主張が反映されたものです。若い担い手が建設業界に希望や魅力を感じてもらうためには、民間工事においても適正な労務費が発注者・元請事業者から職人さんへと確実に流れる仕組みが欠かせません。著しく低い労務費や無理な工期設定等について厳しく取り締まるため、建設Gメンの増員も行われております。本会としても引き続き適正な処遇の実現に向けて声を上げてまいります。
また、担い手不足対策として外国人労働者の受入れ強化もあります。昨年は本会役員がインドネシアにて職種説明会や教育訓練施設の視察に参加し、若者たちの熱意あふれるまなざしに心を打たれる場面もありました。一方、建設技能者=単純作業者という認識を超えて、「高いスキルを習得したい」「管理業務に携わりたい」といった意欲的な声をもっと反映させる必要性も痛感しました。これは、技能や資格を身に付けることでキャリアアップの道が開け、将来の賃金アップが見込めるならば、日本は十分に魅力的な就業先として選ばれる可能性があることを示しています。
さらには、女性の技術者・技能者の就労もまだまだ不十分です。他産業は、途上とは言え従前より女性の就労が進んでおります。我々塗装工事業は、最終仕上げとしての繊細な技能、色彩センス、工程・安全・品質等の緻密な管理技術、顧客への柔軟な対応など、女性の活躍できる場面が多々あります。本年も、女性がもっと生き生きと働ける環境が整備されるよう啓発活動等を進めてまいります。
このように喫緊の課題である担い手不足の解消に向け、国・建設業団体・専門工事業団体一丸となっての取り組みに積極的に協力すると同時に、本会としても塗装職種独自の政策を進めてまいります。
昨年5月に定時総会・全国大会が島根県において600人近い会員を集めて盛大に行われ、お互いの絆を確かめ、旧交を温めました。
今年も5月に青森市で開催が予定され、現在青森県支部・東北ブロックが一丸となって準備を進めております。また、9月には人材育成と技能伝承を目的に「塗装の技」を競い合う2年に一度の全国建築塗装技能競技大会が札幌市で開催予定です。これら全体事業についても、関係各位の積極的な参加をお願い申し上げます。
本会は新たに定めた「基本方針」、「重点施策」「重点施策の展開」に基づき、六委員会が中心となり各事業を推進しております。また、全国に10の地域ブロックと47支部2,300会員を持つ我が国唯一の塗装工事業団体として互いに強く連携し、ジェンダーや国籍を超えて「希望あふれる塗装工事業」の実現を目指します。
本年も会員の皆様をはじめ、関係各位のご理解とご協力をお願い申し上げますとともに、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
一般社団法人日本塗装工業会
会長 加藤 憲利